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「信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)」というお寺は、奈良県生駒郡平群町にあるパワースポットで、信貴山の中腹に位置し、とても眺めのよいお寺としても有名です。
聖徳太子にゆかりのあるお寺でもあり、また日本で最初に毘沙門天王が出現された場所としても有名です。
ではパワースポットとしても人気のある信貴山朝護孫子寺には、どのようなご利益や不思議なお話が伝わっているのでしょうか?
奈良のパワースポット「信貴山」とは
奈良県には多くの神社やパワースポットが存在していますが、奈良の「信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)」がある信貴山という山そのものが、とてもスピリチュアルな場所として知られています。
ここは日本で最古の毘沙門天王の霊場として有名で、修行を行う場所でもありました。
つまり山自体に霊力があると信じられており、非常に強いエネルギーが流れているとされています。
信貴山に縁の深い毘沙門天王は、仏教では四天王のひとりで、北の方角を守護する神であり、また戦争や財宝、開運、商売繁盛などのご利益もあります。
かつては聖徳太子が物部守屋(もののべのもりや)征伐のときに、この山を訪れて毘沙門天王のエネルギーを感じ取り勝利したという謂れがあります。
そしてこの山を訪れて勝利した聖徳太子が、この山のことを「信ずべき、貴とぶべき山」であるとして「信貴山」と名付けられました。
いつも不思議なエネルギーが流れていると同時にすがすがしさも感じるパワースポットです。
信貴山朝護孫子寺
信貴山朝護孫子寺とは、大阪と奈良の境にある信貴山に佇む信貴山真言宗の総本山です。
醍醐天皇がご病気になられたときに、勅命を受けた命蓮上人(みょうれんしょうにん)が、毘沙門天王に祈願したところ、天皇はすぐに全快されたのです。
そこでこの場所が朝廟安穏(ちょうびょうあんおん)・守護国土・子孫長久の祈願所として『朝護孫子寺』と呼ばれるようになりました。
創建は587年と伝わっており、庶民の間ではこのお寺を「信貴山寺(しぎさんじ)」と呼んでいます。
お寺の本堂では、毎日「大般若祈祷(だいはんにゃきとう)」が行われており、スピーカーを通して祈祷の音が信貴山中に響いているので、なんとも不思議で霊験あらたかな気持ちにさせてくれます。
信貴山の中腹にある本堂からは、大和平野が見渡せるので、それだけでも気分爽快になります。
信貴山朝護孫子寺のご利益
信貴山朝護孫子寺は、ご本尊の毘沙門天王のご利益が商売繁盛、家内安全、開運、心願成就となっています。
また、災いから人間を守るという、毘沙門天王に仕える剱鎧童子(けんがいどうし)の使者が、醍醐天皇の枕元に現れて病が治癒したことから、無病息災、病気全快のご利益もあります。
なかでも空鉢護法堂(くうはつごほうどう)というお堂にお参りすると、八大竜王のひとつである難陀龍王(なんだりゅうおう)が祀られており、一願成就のご利益が高いとされています。
このほかにも、安産、子宝、子育てのご利益がある大地蔵尊や、仕事や恋愛にも効果のある縁結び観音、金運アップの効果の高い銭亀善神も祀られています。
とくに寅の日にお参りをすると、ご利益の効果が高まるとされています。
トラのお寺
信貴山朝護孫子寺は、『トラのお寺』としてもよく知られており、お寺のあちらこちらに張り子のトラを見かけます。
これは聖徳太子がこの山へ戦勝祈願に訪れたとき、毘沙門天王が現れたのが「寅の年」「寅の日」「寅の刻」であったことから、信貴山朝護孫子寺ではトラを信仰しています。
張り子のトラは、首を左右に振ることから、何ごとにも首がよくまわって、苦労をしないというご利益があるとされています。
またトラの勇ましい顔のおかげで、厄除け、魔除けとしてのご利益もあります。
最近では『阪神タイガース』の守り神として、このお寺の張り子のトラが甲子園のベンチ内に飾られており、また阪神ファンがたくさんお参りに訪れることでも有名です。
信貴山朝護孫子寺に伝わる不思議な絵巻物
信貴山朝護孫子寺には、古くから伝わる不思議な絵巻物があり、源氏物語絵巻、鳥獣戯画絵巻、伴大納言絵巻と並び、この「信貴山縁起絵巻」は、日本の四大絵巻と呼ばれ、国宝にも指定されています。
この絵巻は、信貴山朝護孫子寺を復興させた高僧である『命蓮上人』にまつわる説話をもとにして描かれています。
その内容は、非常におもしろいストーリーがあります。
信濃出身の命蓮上人が東大寺で修行をしたのちに、信貴山に移って毘沙門天王を祀るお堂を建て、山の麓に住む長者の家へ托鉢をしてお金の寄付を促すために、なんと鉢を飛ばしたのです。
しかし長者は托鉢を嫌って、鉢を自分の家にある倉の中に隠してしまいました。
ところが鉢が閉じ込められた倉が揺れ始めると、なんと浮き上がって倉ごと山の向こうへと飛び去ってしまったのです。
絵巻物はこの不思議なシーンから始まっており、「飛倉(とびくら)の巻」というお話になっています。
倉を追いかけて行った長者は、命蓮上人にたどり着き、そこで倉を返してくれるようにとお願いするのです。
命蓮上人は、倉は返せないけれど、倉の中にある米俵は返すので、鉢の上に米俵をひとつ乗せるように言います。
すると不思議なことに、米俵は列をなして長者の家まで飛んで行ったのです。
このお話以外にも、「延喜加持(えんぎかじ)の巻」という、醍醐天皇が病気になったときの巻物があります。
これは命蓮上人が天皇を訪ねることなく信貴山から祈祷し、「剣の護法(けんのごほう)」という童子を遣わし、童子が天皇の夢枕に立つことで病が治癒するという絵巻なのです。
ほかにも命蓮上人の姉の尼さんが、信濃から弟に会いに来る「尼公(あまぎみ)の巻」という絵巻物があります。
それは姉が持ってきた僧衣を命蓮上人がずっと着ていたところ、やがてボロボロになったので、飛倉に納めておきました。
すると人々はその僧衣の切れ端を求めて、お守りにしたということが描かれています。
この絵巻の描き方はとてもユニークで、平安時代の後期に描かれたものであるにもかかわらず、鉢が空を飛んだり、米俵が並んで空高く舞い上がったり、剣を持った童子がやはり空を駆け巡るなど、まるでアニメーションのような表現方法が取り入れられているのです。
この絵巻の原本は、現在では奈良国立博物館に納められていますが、信貴山朝護孫子寺では複製を展示しています。
まとめ
信貴山朝護孫子寺は、奈良県にあり「トラの寺」としても知られており、境内のあちらこちらにトラの姿を見ることができます。また摩訶不思議な絵巻物が伝わっていたり、その不思議な画法は、アニメーションの起源とも言われています。
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掲載元:トラのお寺「信貴山朝護孫子寺」のご利益は?!奈良のパワースポット
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